【カーポート】片側支持と両側支持、高知の強風に耐えるのはどっち?メリット・デメリット徹底比較。

「カーポートを建てたいけど、種類が多すぎて何が何だか分からない…」

「高い買い物だから絶対に失敗したくない。特に、高知のあの台風を考えると、中途半端なものは選べない…」

そんなふうに、カタログやインターネットの情報を前に、頭を抱えてはいませんか?

カーポート選びは、家づくりの中でも特に悩ましいものの一つだと思います。特に私たち高知県に住む者にとって、それは単なる雨除けや日除けを選ぶのとはわけが違います。

毎年のようにやってくる台風のニュース。テレビで「最大風速〇〇メートル」という言葉を聞くたびに、もし自分の家のカーポートの屋根が飛ばされたら…と想像すると、ぞっとしますよね。大切な愛車が傷つくのはもちろん、万が一、屋根が飛んでご近所の家や車に被害を与えてしまったら、と考えると夜も眠れなくなってしまいます。

過去、高知県は室戸台風をはじめ、数えきれないほどの台風に見舞われ、そのたびに甚大な風の被害を受けてきました。昭和39年の台風では宿毛市で最大風速35.3メートルが記録され、多くの家屋が被害を受けましたし、近年でも室戸市で最大風速49.8m/sという猛烈な風が観測されたこともあります。これは決して他人事ではありません。

その不安、私もこの仕事に長年携わる者として、そして何より同じ高知に住む人間として、痛いほど分かります。

ですが、安心してください。あなたが今感じているそのお気持ちは、決して大げさなものではありません。むしろ、それだけご家族の安全や将来のことを真剣に考えていらっしゃる、素晴らしい証拠です。その慎重な姿勢こそが、10年後、20年後に「このカーポートにして本当に良かった」と思える、後悔しないエクステリア選びの、何より大切な第一歩なんです。

こんにちは、高知の外構・エクステリア専門工事会社「コウケンガーデン」の池本です。

私はこの道に入って約20年になりますが、常々心に決めていることがあります。それは、「私たちの仕事は、商品を売ることではない。工事が終わってからが、お客様との本当のお付き合いの始まりだ」ということです。

もちろん、価格は大切な判断基準の一つです。しかし、目先の安さだけを追い求めて、本当に必要な品質や強度を犠牲にしてしまっては、数年後の台風で後悔することになりかねません。私がご提供したいのは、単なるカーポートという「モノ」ではなく、台風の夜でも安心して眠れるような「長期的な安心感」という未来です。

ですから、この記事では、商品の良いところばかりを並べたてるつもりはありません。片側支持のメリットも、両側支持のメリットも。そして、それぞれの注意点やデメリットも、私がこの20年の経験で見てきたことを、包み隠さず正直にお話ししようと思います。

この記事を読み終える頃には、あなたの中にあったモヤモヤとした不安が晴れ、ご自身の家族にとって何が一番大切なのか、その答えが見つかっているはずです。あなたが心から納得し、後悔のない選択をするための、ささやかなお手伝いができれば、これほど嬉しいことはありません。

高知の強風に備えるカーポート選び:片側支持のメリット・デメリット

まず、多くの方がそのスタイリッシュな見た目から惹かれる「片側支持カーポート」について、じっくりと見ていきましょう。柱が片側にしかないため、見た目がすっきりしているのが最大の特徴です。

デザイン性と開放感が魅力:片側支持のメリット

デザイン性と開放感が魅力:片側支持のメリット

片側支持カーポートの一番のメリットは、何と言ってもそのデザイン性の高さと、それによって生まれる開放感です。柱が片側にしかないため、駐車スペースが広く感じられ、車のドアの開け閉めや乗り降りが非常にスムーズになります。特に敷地が限られている場合や、玄関アプローチと駐車スペースが隣接している場合など、柱が邪魔にならないという利点は日々の暮らしの中で大きな快適さをもたらしてくれます。

最近のモダンな住宅は、直線的ですっきりとしたデザインが多いですよね。そういった住宅には、同じくフラットでシンプルなデザインの片側支持カーポート(特にF型と呼ばれるフラット屋根タイプ)が非常によく調和します。カーポートも家の一部として考えたときに、この見た目の美しさを優先したいというお気持ちは、私もよく分かります。実際に、「見た目が気に入って、どうしても片側支持にしたい」というご相談は非常に多いです。

このように、日々の使い勝手や住宅全体とのデザインの調和という点において、片側支持カーポートには両側支持にはない、大きな魅力があるのです。しかし、高知でカーポートを選ぶ以上、デザイン性だけで決めてしまうのは少し待ってください。次に、最も重要な「強度」についてお話しします。

強度の真実:フーゴFとフーゴRの「基準風速V0」を徹底比較

強度の真実:フーゴFとフーゴRの「基準風速V0」を徹底比較

カーポートの強さを語る上で、絶対に知っておいていただきたいのが「基準風速V0​(ブイゼロ)」という指標です。数年前までは各メーカーが「耐風圧強度〇〇m/s相当」という独自の基準で表記していましたが、より分かりやすく、信頼性の高い基準として、建築基準法で定められたこのV0​表記に統一されました。

これは、そのカーポートがどのくらいの風速まで耐えられるように設計されているかを示す数値です。ここで一つ注意していただきたいのは、この数値は「最大瞬間風速」ではない、ということです。気象庁の定義する「10分間の平均風速」が基準になっており、瞬間的に吹く突風はこれよりもはるかに強くなる可能性があります。ですから、この数値はあくまで一つの目安であり、保証値ではないということを心に留めておいてください。

さて、LIXILの代表的なカーポート「フーゴ」シリーズの1台用(片側支持)で、この基準風速V0​を比較してみましょう。

  • フーゴF(フラット屋根):基準風速V0​=38m/s
  • フーゴR(ラウンド屋根):基準風速V0​=36m/s

意外に思われるかもしれませんが、1台用の場合、よりモダンで価格も少し高いF型の方が、R型よりも強度が高い設定になっています。風速38m/sというのは、気象庁の基準では「非常に強い風」に分類され、樹木が倒れ始めるレベルの風です。一般的な住宅地であれば十分な強度と言えますが、台風の通り道である高知の沿岸部や、周りに風を遮る建物がない場所では、これでも不安が残るかもしれません。そこで重要になるのが、次にご紹介する「切り札」とも言えるオプションです。

【重要】片側支持の強度を劇的に高める「着脱式サポート柱」の効果

片側支持カーポートの構造的な弱点を補い、強度を飛躍的に向上させるもの。それが「着脱式サポート柱」です。これは、普段は取り外しておき、台風や大雪など、必要な時だけ取り付ける補助的な柱のことです。

「たかが補助の柱一本で、そんなに変わるものなの?」と思われるかもしれません。変わります。しかも、想像以上に効果は絶大です。

サポート柱の最も重要な役割は、単に屋根を下から支えることだけではありません。片側支持カーポートが強風で最もダメージを受けやすいのは、下からの吹き上げによる「揺れ」と、複雑な風の流れによって生じる屋根全体の「ねじれ」です。この「ねじれ」が、屋根材(ポリカーボネート板)を固定している枠を変形させ、結果として屋根材が外れて飛んでいってしまう最大の原因になるのです。

着脱式サポート柱を柱のない側に取り付けることで、カーポートは一時的に両側支持と同じような状態になります。これにより、屋根のバタつきや揺れが劇的に軽減され、致命的な「ねじれ」の発生を強力に抑制することができるのです。これは、言わば数万円で手に入る、あなたのカーポートと大切な愛車、そして何よりご家族の安心を守るための、最もコストパフォーマンスに優れた「保険」だと私は考えています。

実際に、サポート柱の有無で台風後の被害状況が大きく変わった現場を、私は何度も見てきました。片側支持カーポートを選ぶのであれば、この着脱式サポート柱は「念のためのオプション」ではなく、「高知で安心して使うための必須装備」と考えるべきです。

片側支持の注意点と価格帯

ここまでお話ししてきたように、片側支持カーポートはデザイン性に優れる一方で、構造的には両側支持に比べて風の影響を受けやすいという側面があります。特に、下から吹き上げる風に対しては、柱のない側が持ち上げられやすいため、しっかりとした対策が不可欠です。

価格については、1台用のフーゴFとフーゴRでは大きな差はありません。しかし、私が声を大にしてお伝えしたいのは、ここで数万円の追加費用を惜しんでサポート柱を付けない、という選択はおすすめできません、ということです。後から「やっぱり付けておけば良かった」と後悔しても、台風が過ぎ去った後では手遅れです。

結論として、片側支持カーポートを選ぶ場合は、「着脱式サポート柱とセットで考える」ということを大前提にしてください。そうすることで、デザイン性の高さというメリットを享受しつつ、高知の厳しい自然環境にも耐えうる強度を確保することができるのです。普段はすっきりと開放的に使い、いざという時にはサポート柱でがっちり守る。これが、片側支持カーポートを賢く、そして安全に使うための答えです。

長期的な安心感を最優先する選択肢:両側支持カーポートのメリット・デメリット

次に、何よりもまず「安心感」を最優先したい、という方に向けた「両側支持カーポート」について解説していきます。見た目の重厚感通り、その安定性は片側支持とは一線を画します。

圧倒的な安定感:両側支持が台風の多い高知で推奨される構造的理由

圧倒的な安定感:両側支持が台風の多い高知で推奨される構造的理由

両側支持カーポートの最大のメリットは、その圧倒的な構造的安定性です。左右両側にしっかりと柱が立ち、地面に固定されているため、車でいうところの四輪駆動のような、どっしりとした安心感があります。

物理的に考えても、これは非常に理にかなっています。片側支持が2本の柱で屋根を支えるのに対し、基本的な2台用の両側支持は4本の柱で支えます。風がどちらの方向から吹いても、また下から吹き上げる力が加わっても、その負荷を4本の柱と梁(はり)で構成される頑丈なフレーム全体で受け止め、地面に逃がすことができます。

これにより、片側支持で問題になりやすかった屋根の「揺れ」や「ねじれ」が起こりにくく、構造全体としての剛性が格段に高まります。台風の夜、外でビュービューと風が吹き荒れていても、「うちのカーポートは大丈夫」と心から思える。この精神的な安心感こそが、両側支持カーポートが提供する最大の価値だと私は思います。

特に、周りに風を遮るものがない開けた土地にお住まいの方や、過去に台風で怖い思いをされた経験がある方にとっては、この揺るぎない安定感は、何物にも代えがたいものでしょう。「とにかく頑丈なものを」と考えるなら、両側支持は最も合理的で間違いのない選択肢と言えます。

意外な事実:2台用フーゴRとFの「強度と価格の逆転現象」とは?

意外な事実:2台用フーゴRとFの「強度と価格の逆転現象」とは?

さて、ここからが専門家である私だからこそお伝えできる、非常に重要なポイントです。多くの方が、いや、もしかすると同業者の中にも見落としている人がいるかもしれない、「強度と価格の逆転現象」についてお話しします。

先ほど、1台用の片側支持では、モダンな「フーゴF」の方が、伝統的な「フーゴR」よりも基準風速V0​の数値が高く、つまり強いと説明しました。このことから、「新しいF型の方が、全体的に性能が良いのだろう」と考えるのが自然だと思います。

しかし、これが2台用の両側支持になると、話は全く逆になります。LIXILのフーゴシリーズで、最も一般的な横幅5.4mの2台用モデルの基準風速V0​を見てみましょう。

  • フーゴF(フラット屋根)2台用:基準風速V0​=40m/s
  • フーゴR(ラウンド屋根)2台用:基準風速V0​=42m/s

驚きではないでしょうか。2台用になると、伝統的な丸い屋根のR型の方が、直線的なF型よりも強度が上のV0​=42m/sという数値を記録しているのです。風速42m/sは、カーポートとしては最高クラスの耐風性能です。

さらに驚くべきは、その価格です。メーカーの定価で比較すると、なんと、より強度の高いフーゴRの方が、フーゴFよりも約13万円(横幅が5.4mの場合)も安く設定されているのです。

なぜこのような「逆転現象」が起きるのか。それは、屋根の形状に理由があります。R型の持つアーチ状のカーブは、構造力学的に見て、風や雪などの上からの荷重を左右の柱へ効率よく分散させるのに非常に優れた形なのです。広い間口を持つ2台用において、この構造的な利点がより顕著に現れ、結果として少ない部材やコストで高い強度を実現できる、というわけです。

つまり、2台用のカーポートを検討していて、「とにかく強度とコストパフォーマンスを重視したい」という方にとって、フーゴRはまさに「隠れた名品」とも言える、最も賢明な選択肢なのです。この事実は、カタログをただ眺めているだけではなかなか気づきにくい、専門家ならではの視点だと自負しています。

デメリットも正直に:設置に必要なスペースとデザイン上の制約

もちろん、両側支持カーポートにもデメリットはあります。最も大きな点は、設置にそれなりのスペースが必要になることです。両側に柱が立つため、敷地に余裕がないと圧迫感が出てしまったり、柱が人の動線や車のドアの開閉の邪魔になったりする可能性があります。

また、デザイン面でも制約があります。片側支持のような軽快さやスタイリッシュさは薄れ、どうしても重厚でどっしりとした印象になります。最新のミニマルなデザインの住宅に合わせると、少し野暮ったく感じてしまう、という方もいらっしゃるかもしれません。

このあたりは完全に好みの問題ですが、片側支持の開放感とデザイン性を知ってしまうと、両側支持の存在感が気になる、というお気持ちも理解できます。メリットだけでなく、こうしたデメリットも正直にお伝えした上で、あなたにとって最適な選択はどちらなのかを一緒に考えていきたいと思います。

最終的な判断基準:あなたの敷地と価値観に合うのはどちらか

ここまで、片側支持と両側支持、それぞれのメリット・デメリットを詳しく見てきました。情報を整理するために、LIXILフーゴシリーズの強度と特徴を一覧表にまとめてみましょう。

タイプモデルデザイン基準風速V0​特徴・こんな方におすすめ
1台用(片側支持)フーゴFフラット38m/sモダンなデザインを重視し、最高の強度を求める方。(サポート柱併用推奨)
1台用(片側支持)フーゴRラウンド36m/sコストを抑えつつ、伝統的な安心感を求める方。(サポート柱併用推奨)
2台用(両側支持)フーゴFフラット40m/s最新の住宅デザインに合わせたい、スタイリッシュさ優先の方。
2台用(両側支持)フーゴRラウンド42m/s強度とコストパフォーマンスを最優先する、最も賢明な選択。

この表を見ても分かる通り、どちらか一方が絶対的に優れている、というわけではありません。大切なのは、あなたの敷地の条件、ご予算、そして何よりも「カーポートに何を一番求めるか」という価値観です。

もし、あなたが「日々の使い勝手と、家の外観に調和するデザイン性を何よりも大切にしたい」と考えるなら、「片側支持カーポートに着脱式サポート柱を付ける」という選択が最適でしょう。

一方で、「何よりもまず、台風の日の絶対的な安心感が欲しい。コストも賢く抑えたい」と考えるなら、「2台用の両側支持カーポート、フーゴR」を選ぶのが、最も合理的で満足度の高い選択になると、私は思います。

ただ、合理的が絶対に良いとは考えていません。カーポートは毎日見るエクステリアです。気に入ったデザインにすることも非常に重要な選択肢です。

言葉を尽くして説明するよりも、このカーポートを設置されたお客様が、台風の夜にどのような安心を手に入れられるか、少し想像してみてください。

きっと、多くのお客様がこう感じてくださるはずです。

『周りの家ではカーポートがすごい音を立てているのに、うちは静かで、家族みんなで安心して眠れた。あの時、正直に色々と教えてもらって、本当に良かった』

私たちは、お客様に心からそう感じていただける未来をお届けしたい。その想いで、一つひとつのご提案をさせていただいています。

まとめ

ここまで長い時間、お付き合いいただき、本当にありがとうございます。

結論として、高知の強風に本当に耐えるカーポートとは、単に「両側支持だから」「片側支持だから」と形で決まるものではありません。それは、あなたの敷地、ご予算、そして何よりも「どんな安心感を得たいか」というあなたの価値観に合った、最適な「システム」を選ぶことだと、私は考えています。

すっきりとしたデザインを重視するなら、「片側支持+着脱式サポート柱」という組み合わせ。

究極の安心とコストパフォーマンスを求めるなら、「2台用両側支持のフーゴR」という隠れた名品。

これが、20年間この仕事に携わり、高知の風と向き合ってきた私なりの、現時点での一つの答えです。

カーポート選びは、10年後、20年後の未来の安心を選ぶことです。もし、この記事を読んでもまだ少しでも迷いや不安が残っているようでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。

私は商品を売り込むために、あなたのお話を聞くのではありません。あなたの家族が、この先何十年も、この高知の地で安心して暮らせる未来を、一緒に真剣に考えるためにお話をお伺いします。

その一歩が、次の台風の夜の、ご家族全員の安眠に繋がると、私は心から信じています。

しつこい営業はしませんのでお気軽にお問い合わせください。

お電話の場合は
通話料無料「0120-473-480」までどうぞ。
しつこい営業は一切しませんので、何でもお気軽にお問い合わせください。

下記のフォームからもお問い合わせできます。
フォームを使う場合はメールアドレスが必須です。
↓↓↓↓↓